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近畿ブロック各産業保健推進センター共同・窓口相談Q&A

Q1:派遣労働者の時間外労働が1ヶ月100時間を超えた場合、事業者は本人の申し出があれば産業医の面接指導を受けさせなければいけないことになるが、この場合、派遣先の産業医の面接指導を受けるのか、あるいは派遣元の面接指導を受けるのか?
 


Q2:局所排気装置等の性能確認や点検のため、スモークテスターの購入を検討していますが、発煙管から出てくる煙の成分は何ですか。
また、製造ラインで使用するとラインの他の化学物質と反応し有害なガス等を発生させることはないですか。さらに、製品に影響を及ぼすようなことはありませんか。

 


Q3:会社が労働者を雇用する際、雇入時健康診断を省略するため、入社希望者に履歴書と本人が3ヶ月以内に受診した健康診断の結果を提出させ、それを会社が採用した労働者の雇入時健康診断に置き換えて使用し、雇入時健康診断を実施しないのは違反にならないか。
 


Q4:ある事業場が、保健師を直接雇用するのではなく、派遣で受け入れると聞きましたが、法律上問題はないのでしょうか。
 
 


Q5:労働安全衛生規則第13条第1項第2号で、1000人以上の規模等の事業場については、「専属」の産業医を選任することとされていますが、「専属」とはどのような意味でしょうか。夜間だけ自宅の診療所で開業している産業医を、専属の産業医として選任しても良いでしょうか。
 


Q6:ある説明会において、本年度(平成19年7月6日付け)に、労働安全衛生規則の一部を改正する省令・告示が公布され、雇入れ時健康診断、定期健康診断及び海外派遣労働者の健康診断項目について、あらたに腹囲の追加やこれまでの血清総コレステロールの検査に代えてLDLコレステロール(低比重リポ蛋白コレステロール)が追加されました。また、健康診断個人票様式も変更され、医師の省略基準(平成10年労働省告示第88号)も改正され、平成20年4月1日から施行されるとのことですが、医師の省略基準で「尿糖の検査」を削除し、従来の「血糖検査をした場合では尿等の検査を省略できる」から「血糖検査」と「尿糖の検査」の両項目を実施することとなった理由は、何でしょうか。
 

Q7:平成18年度から長時間労働者に対する医師による面接指導等が50人以上の事業場に義務付けられ、平成20年4月からは、50人未満の事業場にも適用されると聞きました。この面接指導は、「産業医の職務」として規定されているのでしょうか。
 

Q8:当事業場では、労働者が約300名います。そのほとんどがアーク溶接作業や粉じん作業に従事しています。このためこれらの「特別教育」を外部機関で受講させるには無理があります。つきましては、当事業場内でこれらの特別教育を実施したいと考えています。この場合の講師資格は、どのようになりますか。
 

Q9:当事業場では、労働者が50名以上いますので、安全衛生委員会を設置しています。先日、行政指導を受け委員会の委員数は、労使半数づつとすべきとの指摘を受けましたが、当社では議長を除き使用者側には産業医、衛生管理者、安全管理者、保健師、派遣、下請けなどを含み13名、労働組合側10名としています。これではいけないのでしょうか。
 

Q10:私は、約200名の労働者がいる事業場の産業医をしています。職場巡視の際に工場の一角で接着作業を局所排気装置などのない場所で作業している労働者を見かけましたので、対策が必要ではないのかと質問したところ、あの労働者は、当社の社員ではなく場所を貸しているだけで当社とは関係ないと言われました。この会社は、派遣労働者を正規社員と同一場所で同一作業をさせている現場もあり、そこには局所排気装置等が使用されています。また、派遣と当社の責任は半々であり、当社に全ての責任があるわけでないと言われました。その場合、産業医として事業者にどのように対応できるのでしょうか。
 

Q11:ある事業場で産業医をしています。この工場内で「酸化インジウム(In2O3)」を使用している労働者が呼吸異常を訴えて来ました。このような化学物質は良く知りませんので、どのように対処すべきでしょうか。
 

Q12:ある事業場(金融業)から、業務の関係で労働者に対し、色覚の検査を実施したい。
との相談を受けているが問題はないか

 

Q13:当社は、食料品の製造工場を営んでおります。工場は、24時間体制で操業していますので、深夜業に就く従業員には年2回の健康診断を実施しています。今後、製造ラインの中に派遣労働者を入れようと考えていますが、派遣労働者に深夜の時間帯で働いてもらった場合、深夜業に係る年2回の健康診断は、派遣労働者についても当社が実施するのですか。
 

 

 

 

Q1

遣労働者の時間外労働が1ヶ月100時間を超えた場合、事業者は本人の申し出があれば産業医の面接指導を受けさせなければいけないことになるが、この場合、派遣先の産業医の面接指導を受けるのか、あるいは派遣元の面接指導を受けるのか?

(兵庫産業保健推進センター 提供)

A1

成18年2月24日、基発0224003「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行について」によれば、
 「派遣労働者に対するいわゆる面接指導については、派遣元事業主に実施義務が課せられるものであること。
 なお、派遣労働者の労働時間については、実際の派遣就労した日ごとの始業し、及び終業した時刻並びに休憩した時間について、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備に関する法律(昭和60年法律第88号)第42条第3項に基づき派遣先が派遣元事業主に通知することとなっており、面接指導が適切に行われるためには派遣先及び派遣元の連携が不可欠であること。」とされています。

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Q2

所排気装置等の性能確認や点検のため、スモークテスターの購入を検討していますが、発煙管から出てくる煙の成分は何ですか。
また、製造ラインで使用するとラインの他の化学物質と反応し有害なガス等を発生させることはないですか。さらに、製品に影響を及ぼすようなことはありませんか。

(奈良産業保健推進センター 提供)

 

A2

 モークテスターの発煙管の中には、一般的に塩化第二スズ(SnCl4)が封入されており、ゴムポンプで発煙管に空気を送り込むと、その塩化第二スズが空気中に出て、空気中の水分と反応し、水酸化スズ(Sn(OH)2)に変化して白煙を生じます。
 この白煙には刺激性があり、目、鼻、のど等の粘膜を刺激しますので、吸い込まないように注意しましょう。
 また、この白煙と他の化学物質とが反応等して有害なガスを発生させるか、さらに、製造している製品等と接触することで、製品の有用性が損なわれないか等については、具体的に化学物質名や製品の材質等を調べた上で、発煙管のメーカーとご相談ください。


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Q3
 

社が労働者を雇用する際、雇入時健康診断を省略するため、入社希望者に履歴書と本人が3ヶ月以内に受診した健康診断の結果を提出させ、それを会社が採用した労働者の雇入時健康診断に置き換えて使用し、雇入時健康診断を実施しないのは違反にならないか。

(兵庫産業保健推進センター 提供)

 

A3

動者の雇入時の健康診断は、労働安全衛生法第66条第1項、同規則第43条によって事業者に義務付けられている。同規則第43条によれば
「事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。ただし, 医師による健康診断を受けた後、3月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、当該健康診断の項目については、この限りでない」とあり、11項目が定められている。
 これによって、雇い入れ時に、採用された労働者が上記但し書きの要件を備えた健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、雇入れ時健康診断の内、重複する項目は省略することは可能である。
 しかし、入社希望者に、採用条件として、あらかじめ健康診断の結果を証明する書面を提出することを義務付けることは、法律が事業者に雇入れ時健康診断の実施の義務を課している以上、当然、事業者が雇入れ時の健康診断に関する費用は負担すべきでものであり、次に示す通達の趣旨からも好ましいこととはいえない。
 即ち、雇入時の趣旨の徹底についてという通達を以下に示すと、
「労働安全衛生規則第43条に基づく標記の健康診断については、昭和47年9月18日付け基発第601号の1「労働安全衛生規則の施行について」、平成元年8月22日付け基発第462号「労働安全衛生規則の一部改正する省令等の施行について」等により通達されたところで
あるが、最近、事業者により、標記の健康診断と採用選考時の健康診断を混同している例も
見受けられるので、各県においては下記に留意のうえ、標記について遺憾のないようにされたい。


1 労働安全衛生規則第43条(雇入時の健康診断)は、採用選考時の健康診断について規定したものでないこと。
2 雇入時の健康診断は、常時使用する労働者を雇入れた際における適正配置、入職後の健康管理に資するための健康診断であること。

以上の趣旨から、会社が雇入時健康診断を免れる意図で、入社希望者に本人が3ヶ月以内に受診した健康診断の結果を提出させ、それを会社が採用した労働者の雇入時健康診断に置き換えて使用することは、法の趣旨に反し好ましいこととはいえない。

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 Q4

る事業場が、保健師を直接雇用するのではなく、派遣で受け入れると聞きましたが、法律上問題はないのでしょうか。

(和歌山業保健推進センター 提供)

A4

働者派遣法では、労働者派遣事業の適用外業務として、次のいずれかに該当する業務は、労働者派遣事業を行ってはならないとされています。  

1) 港湾運送業務
(2) 建設業務
(3) 警備業務
(4) 病院等における医療関係の業務
 
 以上のとおり、病院等における医療関係の業務が、適用対象とされており、また、医療関係の業務としては具体的に次のとおり示されています。
 
・ 医師の業務((1)病院若しくは診療所(厚生労働省令で定めるものを除きます。以下「病院等」という。)、助産所、(2)介護老人保健施設、(3)医療を受ける者の居宅において行われるものに限る。)
・ 歯科医師の業務((1)病院等、(2)介護老人保健施設、(3)医療を受ける者の居宅において行われるものに限る。)
・ 薬剤師の業務(病院等において行われるものに限る。)
・ 保健師、助産師、看護師及び准看護師の業務である保健指導、助産、療養上の世話及び診療の補助((1)病院等、助産所、(2)介護老人保健施設、(3)医療を受ける者の居宅において行われるもの(訪問入浴介護に係わるものを除く。)に限る。)
(以下省略)
 
以上のことから、保健師の保健指導等の業務も除外対象となっていますが、「(1)病院等、助産所、(2)介護老人保健施設、(3)医療を受ける者の居宅において行われるもの(訪問入浴介護に係わるものを除く。)に限る。」 とされています。
 
 したがいまして、病院等への機関への派遣は禁止されていますが、それ以外の一般事業場への派遣は可能となります。
また、該当業務について、紹介予定派遣をする場合、当該業務が産前産後休業、育児休業、介護休業を取得した労働者の業務である場合、及び医師の業務であって当該業務に従事する派遣労働者の就業の場所がへき地にある場合においても、除外規定がはずされ派遣が可能となっています。
 なお、紹介予定派遣とは、労働者派遣のうち、労働者派遣事業と職業紹介事業の双方の許可を受け又は届出をした者が、派遣労働者・派遣先の間の雇用関係の成立のあっせん(職業紹介)を行い、又は行うことを予定してするものです。
 いずれにしましても、労働者派遣をめぐっては、偽装請負等全国的に大きな問題となっておりますので、派遣を利用する場合は十分に法制度を理解しておく必要があります。
 

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Q5

≪産業医の専属性について≫

働安全衛生規則第13条第1項第2号で、1000人以上の規模等の事業場については、「専属」の産業医を選任することとされていますが、「専属」とはどのような意味でしょうか。夜間だけ自宅の診療所で開業している産業医を、専属の産業医として選任しても良いでしょうか。

 

A5

 「専属」とは、辞書では「特定のものだけに属していること」「ある一つの会社・団体だけに所属し、他との関係をもたないこと」などとありますが、産業医の「専属」についての解釈は、特に示されていません。しかし、昭和27年9月20日付け基発第675号通達で、安全管理者と衛生管理者に関して『事業場に専属の者とは、「その事業場のみに勤務する者」』とされていますので、この考え方は産業医に関しても準用できると考えられます。つまり、産業医の業務に専従する者を意味するものではありませんが、その業務の遂行が損なわれない範囲内のものでなければなりません。通達ではありませんが、昭和57年2月18日の衆議院予算委員会で、労働省(現在の厚生労働省)が次のような回答をしています。

 『産業医の専属という意味でございますが、私どもは、産業医としてはその事業場における産業医の職務、例えば、健康管理あるいは健康の増進、あるいは病気の原因の探求、あるいは再発防止といったような産業医の業務のみに従事できるものをいっておるというふうに理解しております。それから、業務の遂行に当たりましては、事業場の具体的な実情に応じて業務に従事する時間は異なっておりまして、必ずしも毎日業務に従事する必要がない場合もございます。また、事業場の所定の労働時間、業務に従事する必要のない場合もございます。従いまして、産業医の活動に支障がない限り、必ずしも他の医療行動を禁ずる趣旨ではございません。しかし、他の医療活動が主であってはならない、こういうふうに私どもは理解しております。』
 以上を要約しますと、次のようになると思います。
(1)専らその事業場における産業医の業務に従事することができる者。
(2)他の事業場の産業医を兼務してはならない。
(3)産業医が業務に従事すべき時間は、その事業場の労働者数、業務の内容等具体的に実情に応じて異なるものであり、必ずしも毎日業務に従事する必要はなく、その事業場の所定労働時間にわたって業務に従事する必要はない。
(4)その事業場における産業医の業務を十分に行う上で支障がない限り、必ずしも他の医療研究活動を禁ずる趣旨ではない。
(5)雇用契約であると委任契約であると契約の形態の如何は問わない。
つまり、ご質問のケースについて判断しますと選任しても良いと思われます。
なお、平成9年3月31日付け基発第214号通達「専属産業医が他の事業場の非専属産業医を兼務することについて」で、元請事業場等の専属産業医がその職務の遂行に支障を生じない範囲内において、非専属産業医の産業医を兼務しても差し支えない場合の要件(すべての要件に該当すること)について、次のとおり定められています。

(1)専属産業医の所属する事業場と非専属産業医とが、?地理的関係が密接であること?労働衛生に関する協議組織が設置されている等労働衛生管理が相互に密接し関連して行われていること?労働態様が類似していること等、一体として産業保健活動を行うことが効率的であること。
(2)専属産業医が兼務する事業場の数、対象労働者数については、専属産業医としての趣旨を踏まえ、その職務の遂行に支障を生じない範囲内とすること。
 (3)対象労働者数の総数については、労働安全衛生規則第13条第1項第3号の規定に準じ、3000人を超えてはならないこと。
ただし、平成18年3月31日付け基発第0331005号通達「分社化に伴い分割された事業場における安全管理者等の兼務について」では、安全管理者等の「等」に産業医は含まれていませんので、ご留意下さい。
 
 

 

Q6
 

≪血糖検査と尿糖の検査の関係について≫

る説明会において、本年度(平成19年7月6日付け)に、労働安全衛生規則の一部を改正する省令・告示が公布され、雇入れ時健康診断、定期健康診断及び海外派遣労働者の健康診断項目について、あらたに腹囲の追加やこれまでの血清総コレステロールの検査に代えてLDLコレステロール(低比重リポ蛋白コレステロール)が追加されました。また、健康診断個人票様式も変更され、医師の省略基準(平成10年労働省告示第88号)も改正され、平成20年4月1日から施行されるとのことですが、医師の省略基準で「尿糖の検査」を削除し、従来の「血糖検査をした場合では尿等の検査を省略できる」から「血糖検査」と「尿糖の検査」の両項目を実施することとなった理由は、何でしょうか。

 

A6

回の改正によりまして、「血糖検査」と「尿糖の検査」の2つとも実施すべきこととなりました。この理由に関しては、通達等で示されていませんが、平成19年4月2日の厚生労働省の労働政策審議会安全衛生分科会議事録によりますと、「健康診断時には、空腹時の血糖を正確に測定できない場合があり、その場合には糖尿病の疑いがあるか否か的確な判断できないとの理由から、簡易な尿糖の検査を併用することにより、このような対象者に網をかぶせることが可能となることから、従来の省略可能であった尿糖の検査を必須とした」ということです。

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Q7

≪産業医としての長時間労働者への医師による面接指導等について≫

成18年度から長時間労働者に対する医師による面接指導等が50人以上の事業場に義務付けられ、平成20年4月からは、50人未満の事業場にも適用されると聞きました。この面接指導は、「産業医の職務」として規定されているのでしょうか。

A7

働安全衛生法第66条の8において、「事業者は、・・医師による面接指導を行わなければならない。」「労働者は、・・事業者が行う面接指導を受けなければならせない。」「事業者は、・・面接指導の結果に基づき・・労働者の健康を保持する必要な措置について、医師の意見を聞かなければならない。」「事業者は、・・医師の意見を勘案し、・・適切な措置を講じなければならない。」と規定されました。ご質問の規定に関しましては、この法規定とともに、同法第13条に基づき労働安全衛生規則第14条第1項第1号(産業医及び産業歯科医の職務等)により、従来の「健康診断の実施」に「健康診断及び面接指導等の実施・・」の項目が「産業医の職務」として追加されています。

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Q8

事業場では、労働者が約300名います。そのほとんどがアーク溶接作業や粉じん作業に従事しています。このためこれらの「特別教育」を外部機関で受講させるには無理があります。つきましては、当事業場内でこれらの特別教育を実施したいと考えています。この場合の講師資格は、どのようになりますか。

(滋賀産業保健推進センター 提供)

 

A8

 働安全衛生法第59条第3項、労働安全衛生規則第36条において、《「アーク溶接機を用いて行う金属の溶接、溶断等(「アーク溶接等」という。)の業務」及び「粉じん障害防止規則第2条第1項第3号の特定粉じん作業に係る業務(貴社の場合が特定粉じん作業に該当するか不明ですが)」に労働者をつかせるときは、事業者は「特別の教育」を行わなければならない。》と規定されています。

しかし、ご質問の件に関しては、同規則第39条による「特別教育の細目」が「安全衛生特別教育規程」にて「科目と時間」のみ規定されていますが、「講師資格」に関しては特段の規定がありません。ただし、昭和48年3月19日付け基発第145号通達では「特別教育の講師の資格」として「特別教育は、特定の講師に委託して行っても差し支えない。なお、講師の資格要件は定められていないが、教習科目について十分な知識、経験を有する者でなければならない。」と規定されています。この規定は外部講師の場合と考える方が適切と考えられます。
そうすれば事業場内の講師はどうか?これについては、昭和59年3月26日付け基発第148号通達「安全衛生教育の推進に当たって留意すべき事項について」中で「特別教育を担当する講師(以下、「インストラクター」という。)は、十分な知識、能力、経験等を有する者を当てさせること。また、資質の向上については必要に応じ特別教育等に必要な知識等を付与するための研修(特別教育インストラクター養成講座)を安全衛生教育センター又は安全衛生団体の本部が主体となって実施すること。なお、企業自らが実施する場合の教育担当者についても、当該研修に積極的に参加するよう勧奨すること。」と示されています。
よりまして、貴事業場の場合は多数の労働者に特別教育を実施しなければならないことから、「大阪安全衛生教育センター(大阪府河内長野市)」がご質問の「特別教育インストラクター講座」を開設していますので、教育実施に必要な複数の者にこの講座を受講させ上で社内教育することが適切と考えられます。
 なお、ご注意いただきたいことは、同規則第38条で「特別教育の記録の保存」が規定され、受講者、科目等の記録を作成し3年間保存することとなっていますが、特別教育を実施したことを実証する必要性があることから、この記録は永年保存が望ましいでしょう。


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Q9

当事業場では、労働者が50名以上いますので、安全衛生委員会を設置しています。先日、行政指導を受け委員会の委員数は、労使半数づつとすべきとの指摘を受けましたが、当社では議長を除き使用者側には産業医、衛生管理者、安全管理者、保健師、派遣、下請けなどを含み13名、労働組合側10名としています。これではいけないのでしょうか。

(滋賀産業保健推進センター 提供)

 

A9

働安全衛生法(以下、「法」という。)第17条からの各委員会規定では、その趣旨として「総括安全衛生管理者又は・・以外の者で当該事業場においてその事業を統括管理するもの1人以外の委員の半数については、労働組合の推薦に基づき指名しなければならない。」とされています。
 よりまして、貴社の委員会では、労働組合の委員が委員の半数以下となっていますので指摘されたのでしょう。貴社の委員会の使用者側で保健師、派遣、下請を除けば半数づつとなります。ご検討ください。
 なお、どうしても労使同数の委員構成ができない場合には、
?法17条からの各委員会規定中の「・・労使協約に別段の定めがあるときは、その限度において適用しない。」を行政機関と相談されてはどうでしょうか。
?なお、労働者側の委員をどうしても多くしなければならない場合には、平成17年1月26日付け基安計発第0126002号通達「安全衛生委員会の構成員に関する昭和47年9月18日付け基発第602号の行政解釈に係る疑義について」により、審議機関としての機能を害さない範囲で労働者側の委員が半数を超えることは差し支えないと考えられます。

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  Q10

は、約200名の労働者がいる事業場の産業医をしています。職場巡視の際に工場の一角で接着作業を局所排気装置などのない場所で作業している労働者を見かけましたので、対策が必要ではないのかと質問したところ、あの労働者は、当社の社員ではなく場所を貸しているだけで当社とは関係ないと言われました。この会社は、派遣労働者を正規社員と同一場所で同一作業をさせている現場もあり、そこには局所排気装置等が使用されています。また、派遣と当社の責任は半々であり、当社に全ての責任があるわけでないと言われました。その場合、産業医として事業者にどのように対応できるのでしょうか

(滋賀産業保健推進センター 提供)

 

A10

働者派遣法では、正社員と同様に派遣労働者を混在して作業させている現場では、指揮命令が親会社にあり、かつ、労働者派遣法では正社員と同様に派遣労働者を管理する義務があり、例えば、定期健康診断などの項目ごとに派遣先と派遣元に義務が課されています。よって、義務が半々というのは正しくありません。労働者派遣法に定める項目ごとに管理責任が変わりますので、この点を事業者から説明を受けるべきでしょう。  

 前段の工場の一角の場所で指揮命令していなく、業務のみ発注しているのであれば「業務請負」の可能性があります。この場合にも、親会社に全く責任がないということではありません。このような構内の業務請負や下請に関しては、労働安全衛生法第29条で親会社の指導などの義務が課されています。よりまして、産業医としては安全衛生委員会で指摘し、議事録に記載してもらうべきでしょう。というのは、産業医が有害業務に不備があるのに対して、適切な事業者への勧告指導をしなかった場合で重大な災害などが発生した際には、民事的な責任が発生することがありますので、必ず指摘しておくべきでしょう

 

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 Q11

 

る事業場で産業医をしています。この工場内で「酸化インジウム(In23)」を使用している労働者が呼吸異常を訴えて来ました。このような化学物質は良く知りませんので、どのように対処すべきでしょうか。

(滋賀産業保健推進センター 提供)

A11

化インジウムに関しては、現在、法的な規制はありません。酸化インジウムの致死量は現在不明ですが、インジウムに関しては経口?ラットLD50:4200mg/Kgなどとなっています。吸入実験では肺から極めてよく吸収され、腎にかなりの量のインジウムの蓄積が見られ、尿などからも排泄されます。また、インジウム化合物は、テレビ受像機や携帯電話の画面への液晶の利用として液晶ディスプレイの透明電極などの材料として急激に需要が伸びています。この場合、インジウム・スズ酸化物の焼結体の切削・研磨作業従事者に重篤な肺疾患が近年発生していることが厚生労働省の調査で分かりました。

このような状況を受けて、厚生労働省では平成16年7月13日付け基安化発第0713001号通達「インジウム・スズ酸化物等取扱い作業における当面のばく露防止対策について」を出して指導を呼びかけています。
ご指摘の「酸化インジウム」に関しても、この通達で「インジウム・スズ酸化物」と同様に対策を講じるよう指導しています。この通達は、厚生労働省又は中央労働災害防止協会のホームページから検索可能ですが、主たる内容は、次のようなものです。
1 作業環境管理及び作業管理
 ・設備措置 ・作業環境測定 ・呼吸用保護具使用 ・清掃等
2        労働衛生教育
 ・インジウム・スズ酸化物等の物理的化学的性質
 ・この物質による有害作用、曝露症状、曝露限界など
 ・作業方法 ・呼吸用保護具の使用方法 ・その他健康障害防止措置
 

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Q12
 

る事業場(金融業)から、業務の関係で労働者に対し、色覚の検査を実施したい
との相談を受けているが問題はないか

(和歌山産業保健推進センター 提供)

A12

 

覚の検査については、平成13年10月、労働安全衛生規則の改正により、雇い入れ時健康診断の項目から削除されております。
 その趣旨としては、「雇入時健康診断は、雇い入れた労働者の適正配置や入職後の健康管理の基礎資料を得ることを目的として事業者に対して実施を義務付けているものであり、色覚検査についてもこの一環として実施されてきたものである。しかしながら、色覚異常についての知見の蓄積により、色覚検査において異常と判別される者であっても、大半は支障なく業務を行うことが可能であることが明らかになってきていること、さらに色覚検査において異常と判別される者について、業務に特別の支障がないにもかかわらず、事業者において採用を制限する事例も見られること等から、今般、雇入時健康診断の健診項目としての色覚検査を廃止する等所要の整備を行ったものである。」(平成13年7月16日基発第634号)とされております。
 本改正は、各事業場の業務に関連してどうしても色覚検査が必要な場合まで、その実施を禁止するものではありませんが、実施する際には、当該労働者の業務との関連性が認められるとともに、労働者に十分な説明を行った上、その同意に基づき実施する必要があります。   
また、検査においては、当該事業場で用いられている色の判別が可能か否かを確認するだけにとどめておくべきです。
 さらに、各事業場内において、「色」表示のみにより、労働者の安全への配慮などの表示が行われている場合には、色による表示に加え、文字・数字との組み合わせや形状の工夫、模様や縁取りをつける等の配慮を行うことが望まれます。
 以上のとおり、色覚の検査については、業務内容との関連でその必要性について慎重に検討する必要があり、また「色」以外での識別措置についても配慮していくことが望まれます。

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Q13
 

社は、食料品の製造工場を営んでおります。工場は、24時間体制で操業していますので、深夜業に就く従業員には年2回の健康診断を実施しています。今後、製造ラインの中に派遣労働者を入れようと考えていますが、派遣労働者に深夜の時間帯で働いてもらった場合、深夜業に係る年2回の健康診断は、派遣労働者についても当社が実施するのですか。

(奈良産業保健推進センター 提供)

 

A13

 

業者が行う健康診断は、大きく分けて、「一般健康診断」と「特殊健康診断」があります。
労働安全衛生法第66条第1項に定める一般健康診断には、「雇入れ時の健康診断」(安衛則第43条)、「定期健康診断」(安衛則第44条)、「特定業務従事者の健康診断」(安衛則第45条)などがあります。
特定業務従事者の健康診断とは、安衛則第13条第1項第2号に掲げる業務に常時従事する労働者に対して、当該業務への配置換えの際及び6ヶ月以内ごとに1回、定期健康診断と同じ項目の健康診断を実施しなければならないこととされているものです。
また、労働安全衛生法第66条第2項に定める特殊健康診断は、有機溶剤健康診断、石綿健康診断、鉛健康診断、特定化学物質健康診断など安衛法施行令第22条に定める「有害な業務」に従事する労働者が対象となります。
これらの健康診断のうち、特殊健康診断については、労働者派遣法第45条3項に、派遣労働者を派遣先に使用される労働者とみなすという定めがあります。
つまり、特殊健康診断については、派遣労働者は派遣先に使用される労働者とみなされますので、健康診断の実施義務は派遣先にあるということになります。
一方、一般健康診断に関しては、労働者派遣法にこのような定めはありませんので、原則とおり、派遣労働者を雇用(使用)している事業者、つまり派遣元に実施義務があります。
深夜業は、安衛側第13条第1項第2号に掲げる業務に該当しますので、安衛則第45条に定める特定業務従事者の健康診断が必要となりますが、特定業務従事者の健康診断は、労働安全衛生法第66条1項に定める一般健康診断になりますので、派遣元に実施義務があることになります。

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